1 2009年 07月 14日
今日の大学院博士後期の授業で、ようやく沈家煊2006『认知与汉语语法研究』(商务印书馆)を読了しました! 最後のところで“能”の話題で“他能说法语。”という例が出ていたので、旧ブログでも一度話題になりましたが、再考してみます。 (1)他会说法语。 (2)他能说法语。 この両者の違い、やはり日本人なんかにとっては、いまいちよくわかりません。 相原茂1997『謎解き中国語文法』(講談社現代新書)の21頁~22頁に関連の記述があるので引用します。 ―――(以下引用)――― 我会说汉语。 これも極端に言えば、“你好”(こんにちは)の一言がいえるだけでもかまわない。それで嘘を言ったことにはならない。会話の授業などで、中国人の先生が日本人の学生に、 你会说汉语吗?(中国語が話せますか) と訊ねると、学生は恥ずかしそうに、 我不会说。(話せません) と答えてしまい、先生をカッカとさせることが少なくないと聞く。これは“会”イコール「マスターする」という等式が、頭のどこかにあるためであろう、堂々と、 我会说一点儿汉语。(私は中国語が少し話せます) と言えば良いのである。ただし、“我能说汉语”となると、中国語に自信がないのならやめておいた方がよい。 ―――(引用終わり)――― つまりこれによると、“会说汉语”より“能说汉语”の方が、中国語のレベルが高いということになると思いますが、今日のネイティブの方たちの意見では、必ずしもそうではなく、むしろ逆に、“能说汉语”はちょっとだけしゃべれてもOKだが、“会说汉语”の方はある程度は話せないとだめなのではないかという意見もありました。 どうも、「中国語を話せる」というのは基本的には(つまり特殊な文脈とか前提がない場合)“会说汉语”であって、“能说汉语”は、例えば仕事の採用面接などで面接官から“你能干什么呀?”と聞かれて、自分は中国語を話す能力も備えているといったことを主張する場合など、ある特定の場面で出てくる表現ではないかというネイティブの方の意見があり、なるほどそうかもしれないと納得しました。“能说汉语”が(別に中国語でなくても何語でもいいのですが)、どのような場面で使用されているかを調査できたら面白いかもしれません。 ■
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by sanzhai
| 2009-07-14 18:46
| 中国語の疑問や気づき
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