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三宅登之 ― 文法を研究してますけど何か? ―

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2009年 11月 11日

“很看了几本书”

院博士前期の今日の授業で読んだ中で、副詞“很”が動賓フレーズ全体にかかる例として挙がっていた次のパターン。(范晓等1987『汉语动词概述』上海教育出版社,4頁)

很看了几本书, 很喝了几杯酒, 很买了几件衣服

これですぐ思い出すのは、刘月华等『实用现代汉语语法』に呂叔湘が書いている序文の出だしです。

这几年我很看过几本讲现代汉语语法的书,得到一个印象是这些书的读者对象不明确,不知道是为谁写的。(後略)

このパターン、『现代汉语八百词(增订本)』では副詞“很”の箇所で次のように記述されています。(そういえば八百詞も主編は呂叔湘ですね。)

e)很+动+数量。动词后多带‘了、过’。数词限‘一、两、几’。
~花了些(点儿)钱 / ~认识几个人 / ~费了一番心血 / ~有两下子 / ~去过几回 / ~找了一阵子

まあここまでの情報は、このような文法書や工具書を読めば、我々外国人でもわかります。

今日の授業で、以上の“很看了几本书”のような言い方は、聞いていて「古い世代の中国語」という感じがする、というコメントを、複数のネイティブの方(若い世代)がおっしゃっていました。このようなことは本にはなかなか書いていないでしょうね。

by sanzhai | 2009-11-11 00:33 | 中国語の疑問や気づき


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