人気ブログランキング | 話題のタグを見る

三宅登之 ― 文法を研究してますけど何か? ―

sanzhai.exblog.jp
ブログトップ
2014年 10月 27日

「潔癖な」

今日あるネイティブに聞いたのですが、「潔癖な」という意味の

“洁癖”

は、辞書では“jie2pi3”と、“pi”は声調が第3声なのですが、そのネイティブの方によると、実際には皆“jie2pi4”というように“pi”は第4声で言っている、第3声での発音なんて聞いたことがなく気持ち悪いと言っていました。
こういうのは、個人の読みグセでは片付けられない問題なのでしょうかね。

# by sanzhai | 2014-10-27 17:53 | 中国語の疑問や気づき
2014年 10月 21日

読書メモ

新訂 孫子、金谷治訳注、岩波文庫、2000年
読書メモ_e0145687_22535799.jpg
電車の中、長距離移動の高速バスの中で読みました。
「『孫子』13篇は、中国最古の兵書である。そこには、現実的な戦術が深い思想的裏づけを得て、戦争一般、さらには人生の問題として、広い視野の中に組み込まれている。」(表紙の解説より抜粋)
戦わずして勝つ、なるほど。深い思想的裏づけというのは、なんとなく感じとれたが、人生の問題としてというところまで、更に深く理解するためには、今後またインターバルをおいたあと、再読してみようと思います。
新訂版は、他の新訂になっていない文庫本に比べて活字が大きく、老眼の私にはとても嬉しいです。(汗)

# by sanzhai | 2014-10-21 23:06 | 読書メモ
2014年 10月 21日

小白菜

院の授業の中で話の流れで八百詞の“可以”を引くと、以下の例文がありました。

大白菜可以生吃,小白菜不能生吃。(『現代漢語八百詞』337ページ)

今日は文法の問題ではなくて単なる語彙の問題なのですが、“小白菜”とは何なのかがよくわかりませんでした。辞書を引くと(小学館『中日辞典第2版』)、「チンゲンサイ、パクチョイなどの小ハクサイ類」(1633ページ)とあります。
要するにチンゲンサイのことか?「パクチョイ」を辞書で引いても、チンゲンサイの別名のようなことが書いてあるので。
しかしチンゲンサイは“青梗菜”“油菜”と言うのではないか。
“小白菜”もそもそも“青菜”という言い方もあるようで。
う~ん、こういう植物の名称って、いろいろな言い方があったりして、それらの間の関係が難しいですね。
画像検索で画像を見ても、やはりよくわからないのは、そもそも私が植物の種類や名称などに、あまり詳しくないからか…、

ちなみに、チンゲンサイだとして、「チンゲンサイは生で食べられます」という日本人もいて、では“小白菜不能生吃”は事実に反する例文かと、少し盛り上がりかけましたが、どうも中国では生で食べることはしないそうです。

# by sanzhai | 2014-10-21 17:15 | 中国語の疑問や気づき
2014年 10月 07日

読書メモ

现代汉语重动句研究, 刘雪芹著, 学林出版社, 2012年
読書メモ_e0145687_19491293.jpg
“重动句”とは“他喝酒喝多了。”“他学英语学了十年。”のように、動詞を繰り返すタイプの構文のことを指します。この構文に関する体系的な研究ということでは、収穫のある本だと思います。
ただ、議論の多くが、例えば“他喝酒喝多了。”のタイプで言えば“喝多了”の箇所についての分析が続き、それって“重动句”の問題というよりは、要するに結果補語の問題だろうと思ったり、“他学英语学了十年。”のタイプで言えば“学了十年”の箇所について動作と時間の関係の議論があったり、結局この構文そのものの議論というよりは、その構文に使われている他の文法項目の議論をやっている箇所も少なくなく、やや議論が散漫な感じがしました。

团市委书记跳舞跳死了老婆。(86ページ)
这里有一个人研究李白研究死了。(108ページ)

のような例文にいたっては、どのようなことを述べている文なのか意味がよくわからなかったりしました。(一応ネイティブの方に聞いてわかりましたけど。)

# by sanzhai | 2014-10-07 19:50 | 読書メモ
2014年 09月 01日

読書メモ

对外汉语教学语法讲义,吕文华, 北京大学出版社, 2014年
読書メモ_e0145687_16443984.jpg
長年対外漢語教育の文法を研究している著者の集大成とも言える新刊。
個々のテーマごとに細かく考えると、学術的なことを主張する著書でもないし、先行研究で言われていることと若干異なったことを言っている箇所もありますが、それでも外国人が中国語を学ぶ際の初級文法として、それぞれの項目を、どのように提示すればよいかということで、大変参考になりました。
なお、学術的な研究テーマとして考えた場合でも、この人の著書の特徴なのですが、各文法項目や語句の使用頻度に関する記載が多く、そのコーパスの根拠はいちいちは提示されていないので、論文等で引用する際には注意が必要だとは思いますが、非常に参考になることは間違いありません。

# by sanzhai | 2014-09-01 16:51 | 読書メモ