三宅登之 ― 文法を研究してますけど何か? ―

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2013年 05月 24日

読書メモ

对外汉语口语教学研究,李晓琪主编,商务印书馆,2006年

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世界汉语教学学会审订の「商务馆对外汉语教学专题研究书系」というシリーズの本です。その中の口語教育についての論文集。
いろいろ面白いところがあったのですが、印象に残ったのは、口語の教材に出ている課文で、全然口語になってないじゃないかという、実際の例です。このような口語教材の課文があったのだそうです。(同書54ページ)

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A:你这么忙,还来送我们,这使我非常感动。
C:为朋友送行是件愉快的事情。
A:一个半月以来,你帮了我们不少忙,真是太感谢了!
C:照顾不周的地方,一定不少,还请你们多多原谅。
A:哪里,哪里。我们在这里生活得很愉快。
C:但愿如此。
A:在这短短的时间里,我们既提高了汉语水平,又游览了名胜古迹。就要离开这里了,我还真有点儿舍不得呢。
C:学习虽然结束了,我们之间的友谊却是刚刚开始,希望你们有机会再来。
―――――

確かにねえ。これが口語だから会話で使ってねと中国人に言われると、私のような外国人は使ってしまうかもしれませんよ。編集段階で気をつけていただきたい、もちろん私のような日本人教師が教材を作る際も、このような言語レベルの違いに気をつけたいものです。
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by sanzhai | 2013-05-24 17:27 | 読書メモ | Comments(0)
2013年 05月 21日

「足が疲れた」

火曜日の院博士後期課程の授業、発表者が交代して、木村英樹先生の二重主語文の論考を読み始めました。

『中国語文法の意味とかたち―「虚」的意味の形態化と構造化に関する研究―』木村英樹著、白帝社、2012年
第11章「二重主語文の意味と構造」

271ページの<疲労感>を表す形容詞“累”を使った二重主語文の例です。

我眼睛累了。[私は目が疲れた。]

ところがこの形、「目が疲れた」場合は言えるようなのですが、「足が疲れた」とか「腕が疲れた」は、中国語ではあまり言えないようなのです。

*我腿累了。[私は足が疲れた。]
*我胳膊累了。[私は腕が疲れた。]

(ちなみに「だるくなった」“酸了”なら問題ないようです。“我腿酸了。”)
日本語は、長距離を歩いて「足が疲れた」とか、重い荷物を長時間持って「腕が疲れた」とか、全く問題なく言えるわけです。
この違いはどこからくるのか、原因を考えてみるのも面白そうです。
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by sanzhai | 2013-05-21 22:00 | 中国語の疑問や気づき | Comments(0)
2013年 05月 14日

“已经”と“曾经”

今日2限の博士前期の授業、引き続き論文集『现代汉语虚词研究方法论』を読んでいますが、“已经”と“曾经”の議論の章に移りました。
以下のような例文が出ているのですが(同書254ページ)、

(7)a.二十年前他曾经学过法语。
b.二十年前他已经学过法语。

(8)a.上个月我曾经去过一趟。
b.上个月我已经去过一趟。

(9)a.这件事,刚才我曾经问过他,他说不知道。
b.这件事,刚才我已经问过他,他说不知道。

“曾经”は基本的には近い過去になると不自然で、(8)a.あたりは「?」といった感じで、(9)a.も基本的に「?」でそのままでは不自然だという意見が出ました。“刚才”と“曾经”が一緒に使われるのが違和感の原因らしいです。
しかしこの本の著者は、全て成立すると言っています。
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by sanzhai | 2013-05-14 17:27 | 中国語の疑問や気づき | Comments(0)