三宅登之 ― 文法を研究してますけど何か? ―

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2009年 07月 28日

読書メモ

「中国全省を読む」事典、莫邦富 著、新潮文庫、2009年

2001年に新潮文庫から出た『中国全省を読む地図』を情報更新して改題したものです。北京オリンピックや四川大地震の情報も入っています。
各省(もちろん直轄市や自治区も含む)の概説ですが、地図もついていて便利ですし、政治・経済・歴史の話にとどまらず、世界遺産や料理の紹介など文化面での話も楽しいです。
いくつかの省で、~~省と聞けば中国人はどのような光景(イメージ)を連想するかという紹介が興味深かったですね。
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by sanzhai | 2009-07-28 10:55 | 読書メモ | Comments(0)
2009年 07月 26日

授業振替日

いや~、嵐のような1週間でした…。

21日(火):通常の火曜日の授業日。大学院の授業の1学期最終日だったので、夕刻より研究室で博士後期と博士前期合同でビールで打ち上げ。

22日(水):通常の水曜日授業日。1限・2限はいつもどおり授業、3限はリレー講義担当回。4限・5限は会議。大阪から友だちが出張で東京に来ていて連絡があったので、会議後都心に繰り出して一杯。

23日(木):いつもは木曜日はたまっている雑用を片付けたり、ささやかながら自分の仕事ができるのですが、この日は月曜日授業振替日でした。午前10時から打ち合わせが2つ。3限・4限・5限は授業。その後午後6時から8時すぎまで会議。

24日(金):いつもは非常勤に行っているのですが、非常勤先は授業終了。しかし本務校の水曜日授業振替日。1限・2限授業。3限会議。夕刻6時より本学でお世話になっている非常勤講師の先生方をお招きして大学生協で懇親会。2次会までいたら西武新宿線は終電。

25日(土):午前10時より午後5時までオープンキャンパス。
このオープンキャンパスについてはいろいろ書きたいこともあるのですが、またいつかエントリーを改めて書きましょう。

さてさて、29日(水)の授業で1学期の授業が終了します(この日もここぞとばかり午後会議が2つ入っています)。あと一頑張りだ。
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by sanzhai | 2009-07-26 23:00 | 日々の気づき | Comments(3)
2009年 07月 21日

読書メモ

漢字の相談室、阿辻哲次 著、文春新書、2009年

阿辻先生は以前講演を拝聴して大変面白くかつ勉強になり、印象が深かったのですが、このたびその阿辻先生の新刊を読みました。面白くて一気に読んでしまいました。

ちなみにこの本の表記では先生のお名前の「辻」のしんにょうは点が2つです。このPCでは1つしか出ません。しかし「邂逅」などと書くと、私のこのPCでも現在の入力画面ではしんにょうの点が2つになっています。(皆さまの見ている画面ではいかがでしょうか。)このような問題についても本書では詳しく解説されています。
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by sanzhai | 2009-07-21 01:00 | 読書メモ | Comments(4)
2009年 07月 18日

読書メモ

汉语的短语,范晓 著,商务印书馆,1991年

他の本を読んでいて、参考文献一覧の中にこの書名を見つけ、范晓氏の著書でこんな本あったっけ?と気になっていた本です。研究室の書架にちゃんとあるではないですか!(相当ボケています。)

漢語知識叢書というシリーズの中の1冊です。中国語の“短语”(フレーズ、句、連語)を分類し、それぞれの用法と意味を記述しています。「これぞ中国語学の伝統的な手法」とも思える(出版年を見てください)、徹底的に精緻な記述です。理論の大風呂敷を広げるタイプの人から見れば、「単に分類して用例を挙げているだけじゃないか」と思われるかもしれませんが、まずはこのような記述があってこその理論分析なのだと思います。
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by sanzhai | 2009-07-18 23:00 | 読書メモ | Comments(0)
2009年 07月 15日

読書メモ

现代汉语欧化语法现象研究,贺阳 著,商务印书馆,2008年

“N的V”、代詞“它”“它们”の使用拡大、区別詞の発展、介詞“在”の本来使わなくてもよい文頭での使用、接続詞の用法、“着”の使用範囲の拡大、(V+V)+Oなどのまとめる言い方、“被”構文の拡大などなど、五四運動の時期以降の作品に見られる、それ以前の旧白話作品にはあまり見られない様々な言語的特徴を取り上げ、それらが外国語、特に英語の影響を受けているということを、実証している本です。何と言ってもコーパスを計量的に調べた結果のデータが、結論に重みを持たせています。
「ほ~、これも本来の中国語にはなかった英語の影響なのか」と驚かされることばかりでした。普通話のデータを扱う際に、このような色々な要因を考慮に入れないといけないですね。考えさせられました。
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by sanzhai | 2009-07-15 19:26 | 読書メモ | Comments(2)
2009年 07月 14日

“会说汉语”“能说汉语”

今日の大学院博士後期の授業で、ようやく沈家煊2006『认知与汉语语法研究』(商务印书馆)を読了しました!
最後のところで“能”の話題で“他能说法语。”という例が出ていたので、旧ブログでも一度話題になりましたが、再考してみます。

(1)他会说法语。
(2)他能说法语。

この両者の違い、やはり日本人なんかにとっては、いまいちよくわかりません。
相原茂1997『謎解き中国語文法』(講談社現代新書)の21頁~22頁に関連の記述があるので引用します。
―――(以下引用)―――
我会说汉语。

 これも極端に言えば、“你好”(こんにちは)の一言がいえるだけでもかまわない。それで嘘を言ったことにはならない。会話の授業などで、中国人の先生が日本人の学生に、

你会说汉语吗?(中国語が話せますか)

と訊ねると、学生は恥ずかしそうに、

 我不会说。(話せません)

と答えてしまい、先生をカッカとさせることが少なくないと聞く。これは“会”イコール「マスターする」という等式が、頭のどこかにあるためであろう、堂々と、

 我会说一点儿汉语。(私は中国語が少し話せます)

と言えば良いのである。ただし、“我能说汉语”となると、中国語に自信がないのならやめておいた方がよい。
―――(引用終わり)―――

つまりこれによると、“会说汉语”より“能说汉语”の方が、中国語のレベルが高いということになると思いますが、今日のネイティブの方たちの意見では、必ずしもそうではなく、むしろ逆に、“能说汉语”はちょっとだけしゃべれてもOKだが、“会说汉语”の方はある程度は話せないとだめなのではないかという意見もありました。

どうも、「中国語を話せる」というのは基本的には(つまり特殊な文脈とか前提がない場合)“会说汉语”であって、“能说汉语”は、例えば仕事の採用面接などで面接官から“你能干什么呀?”と聞かれて、自分は中国語を話す能力も備えているといったことを主張する場合など、ある特定の場面で出てくる表現ではないかというネイティブの方の意見があり、なるほどそうかもしれないと納得しました。“能说汉语”が(別に中国語でなくても何語でもいいのですが)、どのような場面で使用されているかを調査できたら面白いかもしれません。
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by sanzhai | 2009-07-14 18:46 | 中国語の疑問や気づき | Comments(5)
2009年 07月 12日

博士論文公開審査

本日は博士論文公開審査で出勤でした。
http://www.tufs.ac.jp/education/pg/dissertation_committee.html
(終了したので、もうすぐリンクが切れると思います。)
日曜日出勤で月曜日も授業だときついですね。
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by sanzhai | 2009-07-12 22:44 | 日々の気づき | Comments(0)
2009年 07月 09日

取説

「取説」という語、こんな言葉があるんですかと、ある場で話題になりました。私も初耳でした。

「取扱説明書」の略で、「とりせつ」と読むのですね?(私は日本語ネイティブであるが、全く知らない語なので、判断ができない。)新語なのでしょうか。

全く見たことも聞いたことも(ましてや自分が使うことも)なかったのですが、7月8日(水)朝日新聞「ののちゃん」に「取説」が出てきました。ののちゃんのお母さんが何やらマニュアルのようなものを手にしているのですが、そこにはっきりと「取説」の2文字が見えます。
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by sanzhai | 2009-07-09 23:19 | 日本語や英語について | Comments(6)
2009年 07月 07日

“新的”と“挺新的”

今日の大学院の授業で出た話題。

朱德熙1956「现代汉语形容词研究」(朱德熙1980『现代汉语语法研究』所収)の中に次のような例が挙がっています。(同論文集30ページ。問題となる例文だけ抜粋。)

(甲式)那身衣服是新的。 (乙式)那身衣服是挺新的。
(甲式)这个灯泡是好的。 (乙式)这种牌子的灯泡是很好的。

甲式は性質形容詞相当で“区别意义”を表し、乙式は状態形容詞相当で“估价意义”を表します。
まず下の電球の例ですが、この場合は甲式と乙式の“好”は語彙的意味が異なると朱徳煕は言っています。私は昔この両者の“好”の意味がなぜ異なるのかわからなかったのですが、昔留学中に北京での指導教員に質問したところ、乙式は文字通り「良い、優れている」という意味であるのに対して、甲式は「壊れていない」という意味だと教わりました。製品として使える、問題ない方という意味。

衣服の例の方で今日の議論でわかったのは、乙式“挺新的”は「新しい」と言っているのに対して、甲式“新的”は、誰かが着た中古の古着ではなく、未使用の新品の服であるということのようですね。
日本語では「さら」という名詞がちょうどこの意味を表すと思います。

さら 〔名〕まだ一度も使っていないこと。新しいこと。また、そのもの。「~のゆかた」
(『デジタル大辞泉』)

『现代汉语词典』の“新”を見ますと、「新しい」という意味項目の他に④“没有用过的”という意味項目があるので、衣服の方の例も、語彙的意味が異なると言っても構わないのかもしれません。

それはそれとして、乙式の方の2つの例文
 那身衣服是挺新的。
 这种牌子的灯泡是很好的。
これらの例文自体が非常に不自然で、このような言い方はしないという意見がネイティブの皆さんから出ました。
この論文が発表されたのは1956年ですから、もしかしたら言い方の自然さも、今と昔では違いが出てきているからかもしれません。
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by sanzhai | 2009-07-07 18:19 | 中国語の疑問や気づき | Comments(1)
2009年 07月 07日

あきらめるか、頑張るかの、選択肢

まあフェデラーが勝つんだろうけど、寝る前にちょっとと何となく見始めた試合・・・3時近くまでするなよな。

フェデラーももちろん強かったわけですが、ロディックがとにかくすごかったですね。最終セットだけで1時間半を越すような信じられないゲームでした。最初はベッドに寝転がって本を読みながらチラッチラッとテレビを見ていたのですが、最後はテレビ前に正座でくぎづけ。

朝日新聞7月6日夕刊で、「ロディックにとって惜しまれるのは第2セットのタイブレークで4回のセットポイントを逃した場面」との記事文の後紹介されているロディックの素晴らしい台詞がこれ。

「選択肢は二つしかない。あきらめるか、頑張るか。後者が良いって思ったんだ。」

いや~、ええなあ。ロディックようやった!
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by sanzhai | 2009-07-07 00:16 | 日々の気づき | Comments(0)