統辞構造論 付『言語理論の論理構造』序論、チョムスキー著、福井直樹・辻子美保子訳、岩波文庫、2014年。
チョムスキーの講演会を聞くつもりで、予習しておこうと思って読み始めていた本です。結局講演会は、会場に着くと、とっくに整理券が配布し終わっていて、入れませんでした。その時まだ半分くらいまでしか読んでいなくて、虚しかったのですが、残りも読みました。
「Syntactic Structures」の日本語訳。それに「The Logical Structure of Linguistic Theory」の序論の日本語訳が付されています。内容も専門的で難しく、また外国語の訳文は頭に入りにくいですが、訳者の解説「「生成文法の企て」の原点―『統辞構造論』とその周辺―」は生成文法の流れを知る上で役立ちます。
読めば読むほど、やはりラネカーを始め認知言語学の考え方は、意味と形式の関係において、生成文法とは真っ向から対立する考えだなと、改めて思いました。