火曜日の院博士後期課程の授業、発表者が交代して、木村英樹先生の二重主語文の論考を読み始めました。
『中国語文法の意味とかたち―「虚」的意味の形態化と構造化に関する研究―』木村英樹著、白帝社、2012年
第11章「二重主語文の意味と構造」
271ページの<疲労感>を表す形容詞“累”を使った二重主語文の例です。
我眼睛累了。[私は目が疲れた。]
ところがこの形、「目が疲れた」場合は言えるようなのですが、「足が疲れた」とか「腕が疲れた」は、中国語ではあまり言えないようなのです。
*我腿累了。[私は足が疲れた。]
*我胳膊累了。[私は腕が疲れた。]
(ちなみに「だるくなった」“酸了”なら問題ないようです。“我腿酸了。”)
日本語は、長距離を歩いて「足が疲れた」とか、重い荷物を長時間持って「腕が疲れた」とか、全く問題なく言えるわけです。
この違いはどこからくるのか、原因を考えてみるのも面白そうです。