三宅登之 ― 文法を研究してますけど何か? ―

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2011年 10月 18日

“还是~,还是~?”の選択疑問文

今日の院博士前期の授業。テキスト『现代汉语虚词研究方法论』(马真)に、次の例が出ています(80ページ)。

你还是先吃饭(≠还是你先吃饭),还是先洗澡?

()の中はこの文ではそのようには言えないという例で、記号は「≠」は誤解を招くので「*」のほうがいいと思うのですが、それはいいとして、もともと言えるとされている、“你还是先吃饭,还是先洗澡?”という選択疑問文、これ自体が言えない、このような言い方は聞いたこともない、というネイティブの方がいました。

確かに、選択疑問文は、

A,还是B?
是A,还是B?

の形はよく目にするものの、

还是A,还是B?

と、“还是”を2回繰り返す言い方は、あまり目にしないような気がします。
しかし工具書などには、このタイプの選択疑問文も探すといくらでも例が出ています。

张斌主编2001『现代汉语虚词词典』商务印书馆229ページで、まず“A,还是B?”“是A,还是B?”のタイプを紹介した後、

有时前后小句都用“还是”。
还是上午去呢,还是下午去呢?
还是先去小王家,还是先去小李家?
去武汉,还是坐火车,还是坐轮船,还是坐飞机?

とありますので、この説明の“有时”あたりが実態を示しているのかもしれません。でも今日のネイティブの方は「言わない」と主張されていましたが。
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by sanzhai | 2011-10-18 20:49 | 中国語の疑問や気づき | Comments(3)
Commented by aloren at 2011-10-20 10:26 x
初めまして。文法に感心があるネイティブです。
僕もやはりあの院生の方と同じようにこういう使われ方はまったく耳にしたことがないのです。
一昔前の用法か方言的な使い方かもしれません。あくまでも個人的な意見ですが、ご参考まで。
Commented by sanzhai at 2011-10-23 21:50
コメントありがとうございます。そうなんでしょうね。外国人が中国語を学習するとき、このような言い方を真似する必要はないでしょうね。
以下は例文の一部に出典の出ている『现代汉语虚词词典』(侯学超编,北京大学出版社,1998年)に掲載されている例文です。

还是人变了,还是环境变了?
还是温室培养出的鲜花好呢?还是风雨里生长的野花好呢?
我实在打不定主意:还是赞成她的话好呢,还是反对的好?(张天翼)
看看还是我对,还是把女儿关在家里对?(曹禺)
[大哥]他也是人,何以毫不害怕;而且合伙吃我呢?还是历来惯了,不以为非呢?还是丧了良心,明知故犯呢?(鲁迅)

最後の例は狂人日記ですね。
Commented by aloren at 2011-10-24 04:00 x
前コメントさせていただきましたalorenです。
新しく挙げていただいた例文もやはり僕は言いませんし、人が言っているのを聞いたこともありません。魯迅と曹禺も使っていることからすれば、一昔前の言い方の可能性が高いですね。
僕も日本語を勉強していて時々広辞苑には載っているが実際もう使われていないか、意味と使い方が変わってしまった言葉や表現と出会います。
辞書を規範とすべきか、用法の記録(記述)とすべきか、ずっと論争が続いていて、これも論争の材料になりそうですね。
似たような例を一つ思い出しました。
高校時代にかなりくせのある国語の先生(上海一とされる高校のいわゆる「特級教師」、定年間近)の授業を聞いたことがあり、その授業で「北京、天津、上海等三大城市」という文の適格性を判断しろ(「等」の正しくない用法を全て選べ)という問題を出されました。
クラス全員バツを選びましたが、この使い方は辞書にも載っており、正しいのだとか。。。
大修館中日大や小学館中日にも当然用例がありますが、実際どのぐらいの中国人がこのように使っているのか、大変疑問に思います。
こういう問題を出すのはあの先生の好みかもしれませんが。。。


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